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2005/12/25

高島野十郎展

福岡県立美術館で「高島野十郎(やじゅうろう)展」が開かれています。嫁さんは堂本光一の「追っかけ」で、大阪ドームのコンサートに行って不在なので、寂しく一人で見に行きました。

高島野十郎(1890-1975)は久留米出身の画家。久留米といえば、青木繁、坂本繁二郎、古賀春江が有名ですが、わたしは野十郎の絵がいちばん気に入っています。

初めて彼の絵に接したのは20年前で、地元の百貨店・久留米岩田屋で回顧展があったのがきっかけ。精緻なタッチの風景画に魅せられ、以来何度か個展に足を運んできました。彼の絵は、事物を詳細にとらえ、木の枝などの植物を「波打つような曲線」で描くのが特徴で、丹念に書き込まれた細部に思わず眼を凝らして覗きこんでしまいます。

「孤高の画家」といわれる野十郎は、久留米の方言で言うと「じゅうげもん」。へそ曲がりというか変人です。東大農学部の水産学科を首席で卒業しながら、恩賜の銀時計を辞退して画家の道へ。人からの施しを拒絶し、郊外の粗末なアトリエで、金銭や名誉とは全く無縁の生涯を送りました。

もう一つ、わたしが野十郎に対して興味があるのは、彼が若い頃から仏教への関心が深かったこと。青年時代に袈裟を着た自画像を描いたり、遺品の「大蔵経(だいぞうきょう:仏教経典の集大成)」に赤鉛筆でたくさん書き込みがしてあったり。

晩年に残した言葉、

写実に徹することは、目に見える全てに等しく眼差しを注ぐことであり、画家としての「慈悲」の実践である

には、仏教思想の強い影響を感じます。

話が理屈っぽくなってしまいました。百聞は一見にしかず。お近くの方は、ぜひ一度ご覧になるようおすすめします。会期は来年の1月15日(日)までです。

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